Windows で仮想マシンを作る(multipass)

multipassを使うメリットは、コマンドを使うことで、複数の仮想マシンを制御することが出来ることです。複数の仮想マシンを同時に使うようなシチュエーションで便利です。

multipassを使うために必要なソフトウェア

Hyper-VかVirtualBoxのどちらかをインストールしておきます。Windows利用者の多くは、Pro版よりもHome版を使っていることが多いので、Home版向けにVirttualBoxの入れ方を説明します。既にインストール済みの人はこの作業は飛ばしてください。

VirtualBoxのインストール

  1. VirutalBoxのホームページにアクセスします。https://www.virtualbox.org/

  2. ホームページで左側に表示されている「Downloads」をクリックします。

  3. VirtualBox X.X.XX platform packages と表示されている箇所の下の「Windows hosts」をクリックします。その時の最新版のインストールファイルをダウンロードすることができます。
    2024年4月時点は、VirtualBox-7.0.14-161095-Win.exe

  4. VirtualBox X.X.XX Oracle VM VirtualBox Extension Packと表示されいてる箇所の下の「All supported platforms」をクリックします。拡張期のインストールファイルをダウンロードすることができます。
    2024年4月時点は、Oracle_VM_VirtualBox_Extension_Pack-7.0.14.vbox-extpack

  5. 「3」でダウンロードした、末尾がWin.exeで終わるファイルをダブルクリックし、VirtualBoxをインストールします。

  6. VirtualBoxをインストール後、「4」でダウンロードしておいた拡張ファイルをダブルクリックし、VirtualBox拡張機能をインストールします。

Hype-Vの有効化

Hyper-Vを使う場合は、Pro版のWindowsが必要です。Windows 10 / 11 のどちらかを使っている場合は、https://learn.microsoft.com/ja-JP/virtualization/hyper-v-on-windows/reference/hyper-v-requirements をご確認ください。

multipassのインストール

  1. multipassのWebサイトにアクセスします。https://multipass.run/

  2. 「Your tracker settings」が表示された場合は、「Accept all and visit site」 をクリックします。

  3. multipassのWebサイトが表示されます。

    image-20240407-214628.png
  4. 「Install now」をクリックし、画面下に移動します。お使いの環境に合わせてOS名をクリックします。ここでは、Windowsをクリックします。

  5. Download Multipass for Windows をクリックします。(2024年4月現在 multipass-1.13.1+win-win64.exe)

  6. ダウンロードされたmultipassのファイルをダブルクリックして、インストールを始めます。画面指示に従って、インストールを行いましょう。もし、Pro版のWindowsを使っているのであれば、ハイパーバイザーには、Hyper-Vを選びましょう。Home版のWindowsの時は、VirtaulBoxをハイパーバイザーとして使うことになります。

    image-20240408-021656.png
  7. Windows環境を再起動します。

multipassによる仮想マシン(VM)の制御

Windowsのターミナルアプリを起動します。WindowsのPowerShellやターミナルアプリでも良いです。

VMの作成

1つのVMを作成する場合

次のコマンドを実行します。

multipass launch --name myvm

このコマンドでは、myvm という1つの仮想マシンを起動することができます。
初回は、Linux(Ubuntu)イメージの取得があるため時間がかかります。ダウンロードが終わると、「Waiting for initialization to complete」と表示されます。初期化していることを示しますので待ちます。

実行結果

Launched: myvm

稼働しているVMのスペック確認方法

次のコマンドを実行し、multipassで起動する標準的なVMのスペックを表示します。multipassで扱うVMのスペックを表示するには、次のコマンドを実行します。

multipass info myvm

「multipass info vm名」のコマンドで、multipassで起動中のVMのスペックを表示することができます。

実行結果

稼働中のVMを確認

次のコマンドを実行します。

VMの削除

VMの削除には、次のコマンドを実行します。

指定のVMのみを削除する場合

例えば、testvm1 を削除する場合は、次のコマンドを実行します。

delete しただけでは、ゴミ箱に入っただけで、recover コマンドで戻せる。完全削除には、次のコマンドを実行します。

特定のVMのShellに接続する場合

指定したVMの中に入って、直接コマンド等で操作したい場合は、次のコマンドを使用します。

接続中のVMのshellから離脱し、ホストであるWindows環境に戻る方法

次のコマンドを実行します。

multipassで起動するVMのスペック

標準のVMスペック

必要なメモリ等を全く指定しない場合は、CPU コア x1 , メモリ 1G, ディスク 5G , Ubuntu LTS のVMが起動します。VMのOSは、Ubuntu LTS に固定です。

割り当てCPU数やメモリ容量、ディスク容量を指定して、仮想マシンを起動したい場合

次のコマンドを実行します。

上記では、2つのCPU、4GBのメモリ、20GBのディスクを割り当てた例です。起動するLinuxイメージをダウンロードする場合は、ネットワークの通信速度の問題により、時間がかかることがあります。