仮想マシンにGUIを追加する手順 (Ubuntu)
目次
- 1 前提
- 2 作業前にやること
- 2.1 仮想マシンのバックアップ
- 2.2 仮想マシンの復元
- 2.3 仮想マシンの割り当てメモリを増やす
- 3 デスクトップ(GUI)の追加
- 4 あなたが理解すべきこと
- 4.1 Ubuntu 標準のデスクトップ(GUI)を追加する場合
- 4.1.1 必要なソフトウェアのインストール
- 4.1.1.1 最新のアップデートを適用
- 4.1.1.2 デスクトップ画面本体をインストール
- 4.1.1.2.1 インストールできないときは、レポジトリを変更
- 4.1.1.3 日本語環境を指定
- 4.1.1.4 日本語フォントの追加と日本語入力環境を設定
- 4.1.1.5 再起動
- 4.1.2 起動確認
- 4.1.3 Terminalアプリの起動
- 4.1.4 VirtualBox Guest Additions のインストール (VirtualBox専用)
- 4.1.5 Webブラウザ Chromium をインストール
- 4.1.6 デスクトップ画面を日本語化したい場合
- 4.1.1 必要なソフトウェアのインストール
- 4.2 デスクトップ画面(GUI)がWindows 2000風が良い人はこちらへ
- 4.2.1 必要なソフトウェアのインストール
- 4.2.1.1 最新のアップデートを適用
- 4.2.1.2 デスクトップ画面本体をインストール
- 4.2.1.2.1 インストールできないときは、レポジトリを変更
- 4.2.1.3 日本語環境を指定
- 4.2.1.4 日本語フォントの追加と日本語入力環境を設定
- 4.2.1.5 再起動
- 4.2.2 起動確認
- 4.2.3 Terminalアプリの起動
- 4.2.4 VirtualBox Guest Additions のインストール (VirtualBox専用)
- 4.2.1 必要なソフトウェアのインストール
- 4.1 Ubuntu 標準のデスクトップ(GUI)を追加する場合
- 5 VirtualBoxにおけるファイルのドラッグ&ドロップやクリップボードの共有の有効化
- 6 MacのDock風メニューが欲しい場合
前提
日本語言語パックが入った状態のUbuntu Server 20.04 または、22.04 の仮想マシンを構築済みとします。まだの場合は、お使いの環境に合わせて仮想マシンを用意してください。
作業前にやること
仮想マシンのバックアップ
仮想マシンは、バックアップを取っておきましょう。VirtualBoxの場合は、仮想マシンを選んだ状態で、「ファイル」>>「仮想アプライアンスのエクスポート」を行うことで、バックアップを取得することができます。
仮想マシンの復元
バックアップした仮想マシンを復元する場合は、VirtualBoxの場合は、「ファイル」>>「仮想アプライアンスのインポート」を行うことで復元できます。
仮想マシンの割り当てメモリを増やす
デスクトップ(GUI)を入れることはソフトウェアを追加することですから、使用するメモリが増えます。2048MBでも動くには動きます。スムーズな操作を期待するのであれば、仮想マシンに割り当てるメモリを、4096MB 以上に変更します。
少ないメモリで仮想マシンをスムーズに動かすには、そもそもデスクトップ(GUI)を入れてはいけません。デスクトップ(GUI)の実施は、自身の判断で行ってください。
デスクトップ(GUI)の追加
sudo を使用可能なユーザーで作業を行います。作業中にパスワードを聞かれることがありますので、その時は作業中のユーザーのパスワードを入力し、Enterキーを押してください。
あなたが理解すべきこと
これから実行する各コマンドについて理解しましょう。Ubuntu 標準のデスクトップと、Windows風のデスクトップの両方をインストールすることは推奨されておらず、どちらか1つです。たとえば、Windows風の方が動きは軽いです。
Ubuntu 標準のデスクトップ(GUI)を追加する場合
メモリ使用量が多めなので、仮想マシンにメモリ割り当てが少ない場合は要注意。8192MB(8GB)のメモリ割り当てを推奨。
必要なソフトウェアのインストール
最新のアップデートを適用
sudo apt-get update -y
sudo apt-get upgrade -y
デスクトップ画面本体をインストール
sudo apt-get install -y ubuntu-desktop-minimal
インストールできないときは、レポジトリを変更
sudo nano /etc/apt/sources.list
http://jp.archive.ubuntu.com を、http://archive.ubuntu.com に変更します。<< 23年7月現在、http://jp.archive.ubuntu.comでも通ることは確認済み。
変更後、最新のアップデートを適用し直し、インストールを再実施します。
日本語環境を指定
日本語フォントの追加と日本語入力環境を設定
再起動
起動確認
エラーなく起動すれば、下記のように表示されます。ユーザー名をクリックし、パスワードを入力してログインします。
「Livepatch」の画面が表示されます。「Next」をクリックします。
「Help improve Ubuntu」が表示されますので、「Next」をクリックします。
「Welcome to Ubuntu」が表示されますので、「Next」をクリックします。
「Ready to go」が表示されますので、「Done」をクリックします。
「Software Updater」が表示されることがありますので、表示された場合は、「install Now」をクリックします。表示されない場合は、次の「Terminalアプリの起動」に進んでください。
パスワードを求められるので、ログインしているユーザーのパスワードを半角英数字で入力し、「Authenticate」をクリックします。
画面右下のアイコンが、下図のようになるまで待ちます。
Terminalアプリの起動
画面右下の点が9つ並んでいるアイコンをクリックします。
表示される検索フィールドに、terminal と入力します。表示される「Terminal」をクリックします。これで、ターミナルアプリが起動し、様々なコマンドを実行することができます。
Terminal アプリが表示されます。
VirtualBox Guest Additions のインストール (VirtualBox専用)
この操作は、VirtualBox専用です。VirtualBox Guest Additions をインストールすることで、仮想マシンの画面を最大化したり、広げること、クリップボードの共有、ファイルのドラッグ&ドロップ等ができるようになります。
VirtualBoxで、「デバイス」>>「Guest Additions CDイメージの挿入」をクリックします。
「Run」をクリックします。
Runが表示されない場合は、Terminalを起動し、/media/ユーザー名/VBox_GAs_7.x.x にアクセスします。7.x.x の部分は、Virtual Boxのバージョンに置き換えてください。7.0.8 であれば、/media/ユーザー名/VBox_GAs_7.0.8 にアクセスします。その後、「sudo ./VBoxLinuxAdditions.run」を実行します。
パスワードを求められるので、ログインしているユーザーのパスワードを半角英数字で入力し、「Authenticate」をクリックします。
しばらく待ちます。Terminalアプリに、「Press Return to close this window…」と表示されるので、Terminalアプリをクリックした後、Enterキーを押します。
画面左側で、「Files」のアイコンをクリックします。
「Files」のアイコンが表示されない場合は、CDのアイコンをクリックします。
CDイメージのアンマウントを行います。▲をクリックします。画面右上の「X」をクリックし、Filesの画面を閉じます。
再起動のため、画面右上の▼または電源ボタンのアイコンをクリックします。その後、「Power Off/Log out」>>「Power Off」の順にクリックします。
シャットダウンするか、再起動するか選ぶことができるので、「Restart」をクリックします。
これで、Ubuntu ServerにGUIを追加することができました。
Webブラウザ Chromium をインストール
この状態では、最小状態のためWebブラウザが入っていません。snap を使って、Webブラウザをインストールします。
Chromium は、Google ChromeやMicrosoft Edgeの母体となっているWebブラウザです。
ChromiumはGoogleが開発を2008年にスタートし、2023年現在は、GoogleやMicrosoft等の複数の企業によって開発が継続しています。
デスクトップ画面を日本語化したい場合
「Settings」を起動し、「Region & Language」に移動します。「Manage Installed Languages」をクリックします。
「言語サポートが完全にインストールされていません」と表示されるので、「インストール」をクリックしましょう。
パスワードの入力が求められるので、入力し、Enterキーを押します。
「Close」をクリックします。
仮想マシンを再起動します。再起動後、画面が日本語化されます。
デスクトップ画面(GUI)がWindows 2000風が良い人はこちらへ
仮想マシンにメモリ割り当てが少ない場合は要注意。Ubuntu標準よりも少なめ、4096MB(4GB)のメモリ割り当てを推奨。2048MB(2GB)のメモリ割り当てでも動くがもっさり気味。
必要なソフトウェアのインストール
sudo を使用可能なユーザーで作業を行います。作業中にパスワードを聞かれることがありますので、その時は作業中のユーザーのパスワードを入力し、Enterキーを押してください。
最新のアップデートを適用
デスクトップ画面本体をインストール
ディスプレイマネージャーについて質問されます。Enterキーを押します。(.この質問で、OKではなく、gdm3 か sddm を選ぶよう求められた場合は、gdm3 を選び、Enterキーを推します。 )
gdm3 を選び、Enterキーを押します。マウスは使えません。矢印キーで上や下に移動します。
インストールできないときは、レポジトリを変更
http://jp.archive.ubuntu.com を、http://archive.ubuntu.com に変更します。
変更後、最新のアップデートを適用し直し、インストールを再実施します。
日本語環境を指定
日本語フォントの追加と日本語入力環境を設定
再起動
起動確認
エラーなく起動すれば、下記のように表示されます。ユーザー名をクリックします。
画面右下の歯車のアイコンをクリックし、「Lubuntu」を選びます。その後、パスワードを入力し、Enterキーを押してログインします。
ログインすると、Windows 7 や Windows 2000 の頃を彷彿させる見た目になっていることがわかります。「Upgrade」をクリックします。
パスワードの入力を求められますので、パスワードを入力し、Enterキーを押します。
「Close」をクリックします。
画面左下の丸い青い鳥っぽい絵が描かれたアイコンをクリックすると、スタートメニューが表示されます。
スタートメニューで、「Leave」>>「再起動」の順にクリックします。確認画面で、「はい」をクリックします。
再起動後、ユーザー名をクリックします。今度は、パスワードを入力し、Enterキーを押してログインしましょう。画面右下の歯車のアイコンの操作は不要です。
Terminalアプリの起動
スタートメニューで、「システムツール」>>「QTerminal」の順にクリックします。
VirtualBox Guest Additions のインストール (VirtualBox専用)
この操作は、VirtualBox専用です。VirtualBox Guest Additions をインストールすることで、仮想マシンの画面を最大化したり、広げること、クリップボードの共有、ファイルのドラッグ&ドロップ等ができるようになります。
VirtualBoxで、「デバイス」>>「Guest Additions CDイメージの挿入」をクリックします。
CDイメージが読み込まれ、確認画面が表示されます。Terminal アプリで作業しますので、ここでは「キャンセル」をクリックします。
先ほど確認した、Terminal アプリ( QTerminal )を起動します。次のコマンドを実行します。6.1.34 というのは、使っているVirtualBoxのバージョン番号のことです。使っているVirtualBoxのバージョン番号にあわせましょう。
ログインしているユーザーのパスワードを求められます。パスワードを入力し、Enterキーを押します。
実行結果
上記のメッセージが表示されれば、インストール完了です。Terminal アプリを閉じます。右上の「X」です。間違えてVirtualBoxのウィンドウの「X」を押さないように注意してください。
画面内の「Computer」のアイコンをダブルクリックします。その後、画面左下の「デバイス」に表示されている▲をクリックします。Computerの画面の右上の「X」をクリックして閉じます。
スタートメニューから、再起動します。これで、Windows風のデスクトップ画面を追加することができました。
VirtualBoxにおけるファイルのドラッグ&ドロップやクリップボードの共有の有効化
また、VirtualBox Guest Additions のインストールにより、仮想マシンを動かしているパソコンと仮想マシンの間で、コピーや貼り付けを行うクリップボードの共有やファイルのドラッグ&ドロップが可能です。クリップボードの共有は、「デバイス」>>「クリップボードの共有」>>「双方向」を選びます。
MacのDock風メニューが欲しい場合
MacのDock風メニューを再現するPlankは、Windows風の画面ではいらないと思いますが、Ubuntu標準のGUIでは欲しいかもしれません。
Plankをインストールしていない場合は、次の手順でインストールすることができます。
Enterキーを押すように求められるので、Enterキーを押す。
Plankがインストールされると、アイコンが表示されます。Plankのアイコンをクリックして起動します。
起動しているアプリケーションをドックに追加することで、Mac風の操作になります。
Plankを自動起動するには、「Startup Applications Preference」を起動します。
このアイコンです。
「Add」をクリックします。
次のように入力します。「Name」にPlank、「Command」にplank です。ポイントは小文字。「Comment」は何でもよいです。「Add」をクリックします。
「Close」をクリックします。これで、今後は起動時に、Plankが立ち上がった状態となります。