Mac(Apple Silicon)で仮想マシンを作る (UTM)

日本語言語パックのインストールについて追記。

目次

前提

使用するMacには、最低限、メモリが16GB以上搭載されているものとします。

Mac上でLinux等の仮想マシンを動かす

以前のMacには、Intel社製のCPUが使われていましたので、その時代のMacを使っている場合は、Oracle VirtualBox が使用可能です。しかし、現在、新品で購入可能なMacには、Apple社製のCPUが使われているため、VirtualBoxは使用できません。Mac上でコンテナ以外の方法で、仮想マシンを動かすにはいくつかのアプリケーションがあります。

  • UTM (ダウンロード版) : 0円 = 無料

  • UTM (アプリストア版) : 1000円前後

  • Parallels Desktop 17 : 8,000円〜10,000円

  • VMware Fusion for Apple Silicon : まだ販売されていない。プレビュー版。(2022年8月現在)

本資料では、ダウンロード版のUTMが無料なので、ダウンロード版UTMを使って、Linuxの仮想マシンを構築するまでの手順を説明します。

UTMをインストール

  1. UTMのホームページにアクセス。https://mac.getutm.app/

  2. Downloadボタンをクリック。

  3. 警告が表示された場合は、「許可」をクリック。

  4. 許可をクリックすることで、UTM.dmg がダウンロードされる。ダウンロードされたUTM.dmg をクリックして開く。

  5. アプリケーション フォルダに、UTM アプリをドラッグ&ドロップ。

  6. アプリケーション フォルダに、UTMアプリが入る。

  7. UTMをダブルクリックして起動する。初回起動の場合は警告が表示される。開く をクリック。

  8. UTMが起動する。「Create a New Virtual Machine」の「+」をクリックすることで、仮想マシンを作成することができる。

仮想マシンの作成

  1. Ubuntu Server for ARM のISOイメージファイルをダウンロードしておく。
    Ubuntu 20.04 を使いたい場合 : https://cdimage.ubuntu.com/releases/20.04/release/ubuntu-20.04.4-live-server-arm64.iso
    Ubuntu 22.04 を使いたい場合 : https://cdimage.ubuntu.com/releases/22.04/release/ubuntu-22.04.4-live-server-arm64.iso

  2. UTMで、「Create a new Virtual Machine」をクリック。

  3. 「Visualize」をクリック。

  4. 「Linux」をクリック。

  5. 「Browse」をクリックして、ダウンロードしておいたisoイメージファイルを選択。例 ubuntu-20.04.4-live-server-arm64.iso

  6. 選択後、「Next」をクリック。

  7. 「Memory」の値を、8192 MB とする。必要最低限であれば、4096 MB でも動く。「CPU Cores」は、2 とする。「Next (Continue)」をクリック。<< UTMのバージョンによっては、NextがContinueになっている場合があります。

  8. Storageの「Size」は、64 GB のまま。「Next (Continue)」をクリック。

  9. 「Next (Continue)」をクリック。

  10. 「Name」の値を、Ubuntu Linux に変更。「Save」をクリック。

  11. UTMの画面に、Linux 仮想マシンが出来る。枠内の起動のアイコンをクリックし、仮想マシンを起動する。初回起動時は、各種設定を行う。

  12. 「Install Ubuntu Server」を選ぶ。

  13. 言語選択で、「English」を選び、Enterキーを押す。

  14. インストール作業中のアップデート適用の有無について、「Continue without updating」を選び、Enterキーを押す。

  15. 「Keyboard configuration」の画面。マウスは使えない。キーボードの矢印キーを操作して進めていく。「Layout」の「English」をクリックして、「Japanese」に変更する。その後、「Done」に移動し、Enterキーを押す。

  16. 「Network connections」が表示される。そのままの設定を使用する。「Done」に移動し、Enterキーを押す。

  17. 「Configure proxy」が表示される。そのままの設定を使用する。「Done」に移動し、Enterキーを押す。

  18. 「Configure Ubuntu archive mirror」が表示される。そのままの設定を使用する。「Done」に移動し、Enterキーを押す。

  19. 「Guided storage configuration」が表示される。そのままの設定を使用する。「Done」に移動し、Enterキーを押す。

  20. 「Storage Configuration」が表示されます。パーティション設定が必要です。「USED DEVICES」に表示されている「ubuntu-lv」まで移動し、Enterキーを押します。「Delete」に移動し、Enterキーを押します。

  21. 確認画面が表示されます。「Delete」の位置でEnterキーを押します。

  22. 「AVAILABLE DEVICES」に表示されている「free space」に移動し、Enterキーを押します。

  23. 「Create Logical Volume」を選び、Enterキーを押します。

  24. 「Adding logical volume to ubuntu-vg」が表示されます。Sizeはfree spaceとして残っている容量を割り当てますので空白とし、Mount先は、各ユーザーの作業データを取り扱う / とします。「Create」まで移動し、Enterキーを押します。

  25. 「Storage Configuration」が表示されます。パーティション操作を行いました。「Done」に移動し、Enterキーを押します。
    自分でパーティションを考えることができるようになれば、仮想マシン作成時のストレージ容量を調整し、自分でパーティション構成を設定すると良いでしょう。パーティション操作のスキルは、アプリを動かすための基盤構築に役立ちます。/home のパーティションを別途作っても良いでしょう。
    また、プライベートクラウドを構築したい場合は、仮想マシンのハードディスクを、192GB以上確保した上で、MOUNT POINTが「/」への割当容量を、少なくとも100~128GB を割り当てるようにします。

  26. 確認画面が表示されます。「Continue」に移動し、Enterキーを押します。

  27. 「Profile setup」が表示されます。ここでは、user1 と利用者で、サーバー名(ホスト名)を ubuntu1、ユーザー名をuser1、パスワードは伏せられますが、例として、zxcvfr45 としています。下図のように入力後、「Done」に移動し、Enterキーを押します。

  28. 「Enable Ubuntu Advantage」が表示されます。「Done」に移動し、Enterキーを押します。

  29. 「SSH Setup」が表示されます。

    [ ] Install OpenSSH Server に移動し、スペースキーを押します。[X] Install OpenSSH Server に表示が変わります。これで、OpenSSH Server をインストールする指示となります。「Done」に移動し、Enterキーを押します。

  30. 「Featured Server Snaps」が表示されます。なにも変えずに、「Done」に移動し、Enterキーを押します。今回はなにも選びませんが、必要なものがあれば、ここで該当項目を移動し、スペースキーを押して選択状態にすることで、この後の仮想マシンを構成する各ソフトウェアのインストールで、一緒にインストールしてくれます。

  31. しばらく待つと、「Install Complete!」が表示されます。「Reboot Now」と表示されるまで待ちます。

  32. 仮想マシン画面を開いたまま維持し、UTMのアプリに戻ります。

  33. 「CD/DVD」をクリックし、「Clear」を選びます。この操作により、仮想マシンで使用していたisoイメージを仮想マシンから取り出します。

  34. 仮想マシンの画面に戻ります。「Reboot Now」に移動し、Enterキーを押します。

  35. 真っ黒な画面のまま変化がなにもない場合は、枠部分の◁をクリックします。

  36. 「Confirmation」と表示されますので、「OK」をクリックします。

  37. 仮想マシンが再起動します。

  38. 「Profile Setup」で設定したユーザー名を入力し、Enterキーを押します。ログイン操作です。

  39. 次に「Profile Setup」で設定したパスワードを入力し、Enterキーを押します。ログイン操作です。

  40. ログインすることできると、下図のように表示されます。

仮想マシンを最新版にアップデート

次のコマンドを実行します。

sudo apt-get update -y && sudo apt-get upgrade -y

演習や開発作業を補助するために最低限必要なソフトウェアのインストール

次のコマンドを実行します。

sudo apt-get install -y git gcc curl make avahi-daemon language-pack-ja

avahi-daemonをインストールしていますので、マルチキャストDNSを有効化しています。マルチキャストDNSについては、こちらをご覧下さい。

ホストとのフォルダ共有のために、SPICE Guest Toolsをインストールします。

sudo apt install spice-vdagent spice-webdavd

仮想マシンの再起動と終了方法

仮想マシンといいますか、UbuntuやCentOSなどLinux全般共通の操作です。

終了の場合は、次のコマンドを実行します。

再起動の場合は、次のコマンドを実行します。

デスクトップ画面(GUI)を追加したい場合

仮想マシンにGUIを追加する手順 (Ubuntu) をご覧ください。