デジタルハブとして使えるチャットシステムの導入
ここでは、SlackやMicrosoft Teamsのようなチャットシステムを、プライベートクラウドや会社が契約している専有型IaaSなどに導入する方法を説明します。
目次
- 1 概要
- 2 仮想サーバーの用意
- 3 チャットシステムの構築
- 4 Nginxによるリバースプロキシ設定ファイルの編集
- 4.1 リバースプロキシ設定
- 4.2 Nginxの再起動
- 4.3 接続確認
- 5 Rocket.Chat の初期設定
概要
Rocket.Chatは、オープンソースのビジネスチャットソフトウェアです。AWSやMicrosoft Azure、IBM Cloud、Oracle Cloud 等の各種パブリッククラウド、あるいはプライベートクラウドどちらでも導入し、運用することができます。
Rocket.Chatは、チャットとしての利用に加え、様々な業務システムの最新情報を集約する場所でもあります。現代においては、ビジネスチャットは、DXのためのハブとしての役割があります。
https://mydocument.atlassian.net/wiki/spaces/support4textbook/pages/1730510856 を終えていることを前提とし、Nginx環境を活用し、リバースプロキシを用いてRocket.Chatのhttps接続を行います。
仮想サーバーの用意
例として、仮想環境としてVirtualBoxを使っていますが、他の仮想環境でも構いません。Rocket.Chatはコンテナで動かしますので、プライベートクラウドで動かすこともできます。
< 以下は、VirtualBoxを使った場合の例 >
仮想サーバーのスペック
OS:Ubutnu Server 22.04
仮想CPU割り当て数 : 1
仮想メモリ割り当て:2048MB(2GB)以上
仮想ディスク:64GB以上
ネットワーク設定:NAT + ホストオンリーアダプタの構成。ホストオンリーアダプタには、固定IPを割り当てること。
デスクトップ環境:なし
SSH接続:必須 ( ユーザー名 + パスワードでもOK )
仮想サーバー の設定
ホストオンリーアダプタの固定IP例:192.168.253.20
Your server’s name (ホスト名):chat1
ユーザー名 : vboxuser
パスワード:任意のもの
チャットシステムの構築
Ubuntuのアップデート
タイムゾーンを日本時間に変更します。
sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
Ubuntuを最新の状態にアップデートするため、次のコマンドを実行します。
sudo apt-get update -y
sudo apt-get upgrade -y
「Daemons using outdated libraries」の画面が表示されるので、Tabsキーで操作し<OK>を選んで、Enterキーを押す。
Docker EngineおよびDocker Compose のインストール
次のコマンドを実行します。
curl -L https://get.docker.com | sh
dockerグループに、ユーザーを追加
一度ログアウトし、再度SSH接続を行う。
Rocket.Chat のインストール
docker-compose.yml の取得
docker-compose.yml の編集
ROOT_URL の箇所を変えます。ROOT_URLを、http://仮想サーバーの固定IPアドレス:3000/chat とします。例 http://192.168.253.20:3000/chat
編集前
編集後
Docker Composeによるコンテナの起動
Rocket Chat コンテナを起動します。
コンテナを起動状況を確認します。
実行結果
CONTAINER ID は、コンテナ起動毎に異なります。
Docker Composeによるコンテナの停止
起動中のコンテナを停止する場合は、次のコマンドを実行します。
Docker Composeによるコンテナの削除
コンテナを削除する場合は、次のコマンドを実行します。
Nginxによるリバースプロキシ設定ファイルの編集
チャット用サーバーとは別に、https://mydocument.atlassian.net/wiki/spaces/support4textbook/pages/1730510856 を行ってください。
リバースプロキシ設定
で作成した「SSL/TLS接続設定ファイル」に追記を行います。
追記内容
設定ファイルのエラーチェックをかけます。
実行結果
エラーメッセージが出なければ、次に進みます。
Nginxの再起動
接続確認
で設定した「hostsファイル」をもとに、Webブラウザで、https://w1.example.edu/chat にアクセスする。
自己署名証明書であり、秘密鍵をパソコンにインストールしていないため警告が表示された場合は、「詳細設定」>>「w1.example.edu に進む (安全ではありません)」の順にクリックします。
Rocket.Chatの初期設定に進みます。
Rocket.Chat の初期設定
管理者情報を入力します。入力後、「次へ」をクリックします。
チャットシステムを利用する組織の情報を入力します。入力後、「次へ」をクリックします。
画面に記載されているように、お知らせメールを受け取りたくない場合や仮のメールアドレスを使っている場合は、「スタンドアロンとして続行」をクリックします。
「確認」をクリックします。
「はい」をクリックします。
再度、「確認」をクリックします。
「このユーザー名を使用」をクリックします。
Rocket.Chat の管理画面が表示されます。