デジタルハブとして使えるチャットシステムの導入

ここでは、SlackやMicrosoft Teamsのようなチャットシステムを、プライベートクラウドや会社が契約している専有型IaaSなどに導入する方法を説明します。

目次

概要

Rocket.Chatは、オープンソースのビジネスチャットソフトウェアです。AWSやMicrosoft Azure、IBM Cloud、Oracle Cloud 等の各種パブリッククラウド、あるいはプライベートクラウドどちらでも導入し、運用することができます。

https://www.rocket.chat/

Rocket.Chatは、チャットとしての利用に加え、様々な業務システムの最新情報を集約する場所でもあります。現代においては、ビジネスチャットは、DXのためのハブとしての役割があります。

https://mydocument.atlassian.net/wiki/spaces/support4textbook/pages/1730510856 を終えていることを前提とし、Nginx環境を活用し、リバースプロキシを用いてRocket.Chatのhttps接続を行います。

仮想サーバーの用意

例として、仮想環境としてVirtualBoxを使っていますが、他の仮想環境でも構いません。Rocket.Chatはコンテナで動かしますので、プライベートクラウドで動かすこともできます。

< 以下は、VirtualBoxを使った場合の例 >

仮想サーバーのスペック

  • OS:Ubutnu Server 22.04

  • 仮想CPU割り当て数 : 1

  • 仮想メモリ割り当て:2048MB(2GB)以上

  • 仮想ディスク:64GB以上

  • ネットワーク設定:NAT + ホストオンリーアダプタの構成。ホストオンリーアダプタには、固定IPを割り当てること。

  • デスクトップ環境:なし

  • SSH接続:必須 ( ユーザー名 + パスワードでもOK )

仮想サーバー の設定

  • ホストオンリーアダプタの固定IP例:192.168.253.20

  • Your server’s name (ホスト名):chat1

  • ユーザー名 : vboxuser

  • パスワード:任意のもの

チャットシステムの構築

Ubuntuのアップデート

タイムゾーンを日本時間に変更します。

sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo

Ubuntuを最新の状態にアップデートするため、次のコマンドを実行します。

sudo apt-get update -y sudo apt-get upgrade -y

「Daemons using outdated libraries」の画面が表示されるので、Tabsキーで操作し<OK>を選んで、Enterキーを押す。

Docker EngineおよびDocker Compose のインストール

次のコマンドを実行します。

curl -L https://get.docker.com | sh

dockerグループに、ユーザーを追加

一度ログアウトし、再度SSH接続を行う。

Rocket.Chat のインストール

docker-compose.yml の取得

docker-compose.yml の編集

ROOT_URL の箇所を変えます。ROOT_URLを、http://仮想サーバーの固定IPアドレス:3000/chat とします。例 http://192.168.253.20:3000/chat

編集前

編集後

Docker Composeによるコンテナの起動

Rocket Chat コンテナを起動します。

コンテナを起動状況を確認します。

実行結果

CONTAINER ID は、コンテナ起動毎に異なります。

Docker Composeによるコンテナの停止

起動中のコンテナを停止する場合は、次のコマンドを実行します。

Docker Composeによるコンテナの削除

コンテナを削除する場合は、次のコマンドを実行します。

Nginxによるリバースプロキシ設定ファイルの編集

チャット用サーバーとは別に、https://mydocument.atlassian.net/wiki/spaces/support4textbook/pages/1730510856 を行ってください。

リバースプロキシ設定

で作成した「SSL/TLS接続設定ファイル」に追記を行います。

追記内容

設定ファイルのエラーチェックをかけます。

実行結果

エラーメッセージが出なければ、次に進みます。

Nginxの再起動

接続確認

で設定した「hostsファイル」をもとに、Webブラウザで、https://w1.example.edu/chat にアクセスする。

自己署名証明書であり、秘密鍵をパソコンにインストールしていないため警告が表示された場合は、「詳細設定」>>「w1.example.edu に進む (安全ではありません)」の順にクリックします。

Rocket.Chatの初期設定に進みます。

Rocket.Chat の初期設定

管理者情報を入力します。入力後、「次へ」をクリックします。

チャットシステムを利用する組織の情報を入力します。入力後、「次へ」をクリックします。

画面に記載されているように、お知らせメールを受け取りたくない場合や仮のメールアドレスを使っている場合は、「スタンドアロンとして続行」をクリックします。

「確認」をクリックします。

「はい」をクリックします。

再度、「確認」をクリックします。

「このユーザー名を使用」をクリックします。

Rocket.Chat の管理画面が表示されます。