オンプレミス環境とクラウドの連携、使い分けポイント
目次
- 1 仕組み
- 1.1 データ連携
- 1.1.1 ETLの例 Talend Open Studio
- 1.2 API連携
- 1.2.1 自動化ツールの場合
- 1.2.2 マッシュアップツールの場合
- 1.2.3 メインフレーム(オンプレミス = 所有)のトレンド
- 1.1 データ連携
- 2 オンプレミス(プライベートクラウド含む)と、パブリッククラウドの使い分けポイント
- 3 ハンズオン
仕組み
オンプレミス環境とクラウド連携には、データ連携またはAPI連携が一般的です。
データ連携
一般的にETLを用います。ETLは、Extract(抽出) / Transform(変換) / Load(書き出し) の略称で、古くからBIツールで使用されてきました。
ETLの例
Talend Open Studio
DataSpider(データスパイダー)
RapidMiner Studio
Apache NiFi
Node-RED
などがあります。オンプレミスやクラウド上のデータベース同士で、データを転送したり同期することができます。
ETLの例 Talend Open Studio
API連携
2種類あります。
自動化ツールの場合
1つ目は、自動処理を行うもの。REST APIやWebhookを用いて、連携元のシステムで、イベント、つまり何らかの操作が行われたことを条件に、連携先のシステムに、データ送信や受信、連携先のシステムにおけるメッセージ通知などの処理を行うことを言います。発動条件となる何らかの操作を多くは「トリガー」、データの送信や受信といった動きを「アクション」と言います。「トリガー」と「アクション」を組み合わせることで、API連携を構成します。
オンプレミスで使えるクラウド連携可能なAPI連携ツールの例としては、Node-RED、n8n、Activepieces などがあります。
マッシュアップツールの場合
2つ目は、オンプレミスやクラウドコンピューティングプラットフォームのAPIを組み合わせて、1つのアプリケーションを形成するものです。こちらは、2008年頃から続くトレンドです。昨今はメインフレームのハイブリッドクラウド活用にも関係しており、自動化ツールと並んでポピュラーな存在でしょう。2008年頃は、現在のReToolやToolJetのようなものはあまりなく、マッシュアップの際には基本的にコードを書いていましたので、現在の方が、プログラミングが得意ではない人、事務業務をメインとしつつ、ICTによる業務効率化を担当するような人々にマッシュアップが浸透しています。
オンプレミスで使えるクラウド連携可能なマッシュアップツールの例としては、以下があります。多くが、クラウド版も提供しています。
ReTool >>
ToolJet >>
Windmill >>
メインフレーム(オンプレミス = 所有)のトレンド
オンプレミス(プライベートクラウド含む)と、パブリッククラウドの使い分けポイント
ITエンジニアが、各業界知識を持ち、お客様の事情や要望を分析し、システムを企画できる能力を持っていること
パブリッククラウドの課金要素を把握していること。
ネットワークI/Oの課金は、見落としがち。
例えば、容量の大きなファイルを頻繁に更新する場合、パブリッククラウドの仮想マシンを使うよりも、Google DriveやBoxなどのストレージサービスを選ぶべき。
その他、いわゆるクラウド破産に注意。これは、会社で仕事をしていても起こり得るため、自分で実際に使い、どのような問題が起きるか確認しておくことが、とても重要。クラウドの仕事するのであれば、たとえば、Web制作でAWSなどのパブリッククラウドを前提にしたとき、Webコンテンツが原因で高額請求を引き起こすと、フリーランスなどであっても善管注意義務違反となり、契約解除や賠償となる可能性がある。
リアルタイムデータ処理
リアルタイムにデータ処理を行うことを前提とする場合、ネットワーク経由で利用するクラウドにはタイムラグが生じるため、オンプレミスのエッジサーバにデータをリアルタイム処理させ、エッジの処理結果をクラウドに伝達することが有効。特にIoT関係はこの組み合わせがあり得る。
データの特性によるもの
パブリッククラウドにデータを置くことをお客様が拒否した場合は、当然のことながら、オンプレミス環境、またはオンプレミス型のプライベートクラウドを使用しなければならない。